
ヤバい世界に 50 年、Queen II — Yoko Sugihara
目次
「アルバム」と言えば、60〜70 年代
「アルバム」と言えば、やはり 60 年代後半〜70 年代の作品が多数浮かんでくる。
時代の色とか匂いとか熱量みたいなものを、子供だった私もそれなりに感じ取っていたように思う。特にプログレが凄い。そこには壮大な物語があって、アートワークに引き込まれ、音楽が血液のようにぐるぐる回る。
ピンク・フロイドも、キング・クリムゾンも、イエスも EL&P も凄い。素晴らしい。大好きだ。
私の一枚は、Queen II
しかし! 私の一枚はコレ、Queen II。
(中には Queen をプログレと言う人も居るが、違うと思う。まぁカテゴライズはどうでもいいけど。)
Queen は正に、リアルタイムだったのだ。
入り口は MusicLife、ロジャーーーー!!!!
入り口は当時の音楽雑誌 MusicLife。自分で買った覚えはなく、誰かが学校に持って来たのだろう、そこに掲載されていた写真に、ハメられた。
・・・・・ロジャーーーー!!!!
未だ音も聴いていないのに。星加ルミ子編集長の罠かww
友達の家で「戦慄の王女」、そして自分は Queen II を買った
やがて友達がデビューアルバム「戦慄の王女」を買ったというので、聴かせてもらった。
その頃は友達の家で一緒にレコードを聴いて、お喋りもせず酒も飲まず(当たり前だw)それぞれの世界に没入する、という事がよくあった。勿論、聴き終わって感想を言い合ったりするのだが・・・衝撃だった。
そして自分は、Queen II を買った。ときめいて、酔った。物凄く酔った。そこは別世界だった。
続く「Sheer Heart Attack」「オペラ座の夜」も勿論名盤だが、自分は Ⅱ が一番好きだ。Killer Queen, Bohemian Rhapsody などのヒット曲も良いが、一枚のアルバムを通して語られた物語は、後々まで心に残る。色や匂い、温度。
Side White — 鼓動から、アイディアの宝庫へ
Side White。鼓動に始まり、アンセムみたいなブライアンの多重ギター。ドキドキは止まらない。
美しく独特なヴォイシング、お香香る White Queen は秀逸。アイディアの宝庫のようだ。
ロジャー・テイラーのナンバーも来る。ストレートなロックナンバー、好き。
Side Black — フレディーの毒、絶妙のバランス
Side Black。フレディーの毒。一歩間違えればキワモノになってしまいそうな妖しさ、絶妙のバランス。
クセになる味と匂い。畳み掛ける曲繋ぎと構成。緻密で大胆で、もう一度毒の刺激が欲しくなる。
そしてジャケ写の陰影。私達はヤバい世界に入り込んでいる。と、気付く。気付かないかもしれない。
50 年超、ヤバい世界に入り込んでいる
50 年超・・・気付いていないのかもしれない。
そう、Queen をみつけて、世界のスターに押し上げたのは日本の女の子たちだったと言う。当時の女の子の一人として、自慢したい。
Queen II は、サイコーだ!!!!!
編集後記
杉原葉子さんは、私(ナミオ)の友人で、同じく友人のとんちゃんと黄金猫(ゴールデンキャッツ)で音楽活動されているプロミュージシャン。ピアノの弾き手としての素晴らしさはもちろん、Facebook に投稿される何気ない日常の自然な風景も、いつも楽しみにしている。
葉子さんからこの原稿を受け取って、まず「ロジャーーーー!!!!」で笑い、Side White / Side Black の章立てに唸り、最後の「サイコーだ!!!!!」で嬉しくなった。プロミュージシャンの耳と、ティーンエイジャーだった頃のときめきが、50 年超を越えて同じ強度で響いている。
「美しく独特なヴォイシング」「お香香る White Queen」「フレディーの毒」「畳み掛ける曲繋ぎ」— これは音楽を作る側の人の言葉だ。読みながら、自分の耳もアルバムを通り抜けていく感覚があった。
Queen II の発売は 1974 年 4 月 9 日。それから半世紀超、葉子さんを「ヤバい世界」に入れたまま、このアルバムは生き続けている。「気付いていないのかもしれない」— この一行に、本物が詰まっていると思う。
葉子さんに、感謝。— Queen II をぜひ、ヘッドフォンで通しで聴いてほしい。
Queen
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