Oh Mercy
1989
Album概要
ボブ・ディランの26枚目のスタジオ・アルバム『オー・マーシー』は、1989年9月12日にコロンビア・レコードからリリースされた。ダニエル・ラノワがプロデュースしたこのアルバムは、1980年代に不評だった一連のアルバムを経て、ディランの華々しい復活作として批評家から絶賛された。ニューオーリンズで録音されたこのアルバムは、ロック、フォーク、ブルースの要素を政治、失恋、内省といったテーマと融合させた、雰囲気のあるサウンドが特徴である。
『オー・マーシー』は、ディランにとって近年最高のチャート成績を記録し、アメリカのビルボード・チャートで30位、ノルウェーとイギリスではそれぞれ6位にランクインした。アルバムには、ディラン自身が書き下ろしたオリジナル曲が10曲収録されている。このアルバムのレコーディングについては、ボブ・ディランが著書『クロニクルズ 第1巻』の中で詳しく語っている。
レコーディング情報
このアルバムは、1989年2月から4月にかけて、ニューオーリンズのソニアット通り1305番地にある移動式スタジオで録音された。ダニエル・ラノワがプロデュースとミキシングを担当し、マーク・ハワードとマルコム・バーンもレコーディングに参加した。
トラックハイライト
- Political World — アルバムは「ポリティカル・ワールド」で幕を開ける。この曲は、現代社会の様々な問題や、現代社会に対する激しい非難を列挙したものだと評されている。
- Where Teardrops Fall — 1950年代のワルツ調バラードへのオマージュ。
- Everything Is Broken — 沼地のロカビリー・スタイルをルーツとし、破綻した人間関係や国際政治をテーマにした物語。
- Ring Them Bells — ピアノ主導のバラードで、感情の深みがあり、賛美歌を思わせる。
- Man in the Long Black Coat — マーク・ラネガンがカバーしたこの曲は、ディランとラノワの間の息の合った演奏ぶりを際立たせている。
- What Good Am I? — 語り手の道徳的価値を率直に考察する。
- Shooting Star — 物悲しい追憶のバラード。
参加ミュージシャン
- Bob Dylan (ボーカル、ギター、12弦ギター、ピアノ、オルガン、ハーモニカ)
- Daniel Lanois (プロデューサー、ギター、ドブロ、ラップスティール、オムニコード、ミキシング)
- Malcolm Burn (キーボード、ベース、タンバリン、レコーディング、ミキシング)
- Mason Ruffner (ギター)
- Brian Stoltz (ギター)
- Paul Synegal (ギター)
- Tony Hall (ベース)
- Larry Jolivet (ベース)
- Willie Green (ドラム)
- Cyril Neville (パーカッション)
- Daryl Johnson (パーカッション)
- Alton Rubin, Jr. (スクラブボード、ドラム)
音楽的意義
『オー・マーシー』は、1980年代に低評価が続いたアルバム群からのカムバック作として高く評価され、ディランにとって近年最高のチャート成績を収めた。批評家たちは、アルバムの深み、真摯さ、そしてラノワのプロデュースを絶賛した。1989年のヴィレッジ・ヴォイス誌のパズ&ジョップ批評家投票では15位、ローリング・ストーン誌の1980年代ベストアルバム100選では44位にランクインした。 ダニエル・ラノワのプロデュースは、重厚で深みのあるサウンドが特徴で、ディランのソングライティングとボーカルに新たな息吹を吹き込んだ。しかし、一部の批評家はラノワのプロデュースが過剰だと指摘した。ディランのベストセラーアルバムには含まれないものの、『オー・マーシー』は、ディランの不朽の芸術性を示す、まとまりがあり説得力のある作品として高く評価されている。
U2のボーカル、ボノは、ボブ・ディランにダニエル・ラノワと組むことを提案した。
トラックリスト
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